新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

workout.png著者名を見て衝動買いした「新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に」がとってもむふぅむふぅだったわ。

著者の小林弘人氏は「こばへん」のニックネームで知られる名編集者。雑誌「WIRED」日本語版の編集長を経て、会社を設立。ゼロから雑誌「サイゾー」を立ち上げた人物よ。エイ子はかつて熱心なサイゾー読者だったわ。創刊間もないころのサイゾーって今みたいな芸能ゴシップ色よりも、WIRED時代の雰囲気が色濃く残っていたの。表紙が美人モデルのジャージ写真だったのもエイ子と深い関係があるわねw

この本、Webの台頭で危機的状況にある出版・新聞メディアに対する提言なんだけど、タイトルにもあるとおり新世紀メディア=次世代Webメディアを論じたものよ。旧メディアに「印刷」と「物流」に縛られた現体制からの脱却を促しているわ。「出版」=「publishing」、「publishing」とはすなわち「公にする」ことなんだから、印刷だけが出版じゃないっていうのよ。

さすがインターネットの勃興から編集者としてWebを見つめているだけあって、Web界の現状分析も秀逸よ。今後Webで生き残っていくのに必要なスキルのまとめなんて、内容的には分かりきったことだけど非常に完結にまとめられていたわ。

(1)ウェブ上での人の流れを直感し、情報を整理して提示する編集者としてのスキルを有する、(2)システムにつていの理解をもち、なおかつUI(ユーザー・インターフェース)やデザインについての明解なビジョンと理解をもつ、(3)換金化のためのビジネススキーム構築までを立案できる職能者である、…というスキルセットが、体系的に訓練されるか、もしくは各自独学でジャンルを越境していく必要があると考えます。

これがこばへんの考える次代の編集者像よ。今、私たちが目指そうとしている姿そのものよね。いつのまにかエイ子たちって次世代のメディア編集者を目指していたのね。K氏の「ワシはなにをすればいい」に対する明確な解にもなっているわね。

メディア論に興味のある方はぜひ読んでみてね。Webメディアに関する考察だからきっと退屈はしないはずよ。K氏もこういう本をどんどん読んでみたらいいんじゃないの?

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に
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コメント

  1. ロプロス より:

    アメリカでは「アフィリエイター」のことを「publisher」と呼ぶという話を聞いたことがあります。
    我々も優れたコンテンツを、どんどん公にしていきたいものですな。

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